あざ恋王子は近すぎる。

サラサラとした茶髪の感触が、手のひらに直接伝わる。
私の指先から、蓮の体温がじわじわと染み込んでくるみたいだ。


「……今の、演技だと思う?」


試すような、だけどどこか切実な蓮の視線。
その強い瞳に見つめられて、私は声も出せなくなってしまった。
もしこれが演技なら、蓮は世界一の天才役者だ。


でも、もしこれが本当に本音なのだとしたら――。

私は答えを見つけられないまま、ただ蓮の柔らかい髪に触れ続けることしかできなかった。