冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい



 黒猫ミオが子猫にたくさん囲まれているところを想像した。

「たくさん欲しいのか?」

「はい、たくさんいたら、楽しそうだなって」

 すると、どうしてだか、恭司が頭を抱えながら答えた。

「分かった、善処する」

「……?」

 どことなく顔が赤い気がするが気のせいだろうか?
 ひとまず美桜はミオの身体をなでなでする。

「ふふふ、可愛い」

 そんな彼女を眺めながら、恭司がぽつりと呟いた。

「こんなに優しく世話してもらえるんなら、片親がどうであれ、子どもたちも幸せになれるかもな」

 恭司もどうやら猫が増えるのに対して、わりと良い印象を抱いているらしい。
 美桜は恭司の袖を引っ張ると笑顔で答えた。

「はい、そうですね。その時は私もしっかり育てますからね」

「お前、たくさんできて本当に大丈夫なのか? お前自体も子どもみたいなところがあるが……」

 恭司がこちらをじっと眺めてくる。
 心なしか目の下が赤く染まっている気もするが、光の加減かもしれない。

「……? もちろん大丈夫ですよ。恭司さんも一緒に頑張りましょうね」

 恭司が黒髪をかき上げながら答えた。

「分かった。ガラじゃあないが、前向きに考えておくよ」

「良かった。ありがとうございます」

 美桜は満面の笑みを浮かべた。

(良かった、恭司さんもミオちゃんをきっかけに猫が好きになってくれたら嬉しいな)

 そうして、二人で廊下に出ると、ダイニングルームへと戻ることになった。
 道中、ミオについての会話をする。

「せっかくだから、ミオちゃんの色々を買いに行きましょうよ」

「ああ、そうだな」

「買い物、楽しみです」

 ダイニングルームへと辿り着く。
 部屋の中はモダン配色で揃えられており、落ち着いた場所だ。
 改めてソファに戻った美桜だったが――。

「恭司さん、どうして、部屋に戻ってそうそう、私の上に乗ってこられたんですか?」

 ――さっそく恭司に押し倒されてしまった。
 上に乗り上げてきた彼が不遜な笑みを浮かべてくる。

「そりゃあ、たくさん欲しいんだろう?」

「え? たくさん? 何のことでしょうか?」

 ――たくさん欲しい……?

(買い物のことかな……?)

 美桜は答えた。

「たくさんだと嬉しいですが、必要最低限でも良いかなって思ってます」

「必要最低限か、ツレナイな」

 いったいどこにツレナイところがあったのだろうか――?
 恭司が美桜の頬を優しく撫でてくる。 

(あ! もしかして、「俺のことがたくさん欲しいだろう?」とか、そういうこと?)

 「たくさんシたい」などの発言は、美桜からはしていない気がしたのだけど……?

「実はもう間に合っていると言いますか……もう大丈夫と言いますか……」

「とぼけるなよ。ちゃんと協力してやるって話しただろう?」

「え? あ……それは……」

 恭司が美桜の首筋に顔を埋めてきた。
 先ほど着替えたばかりのブラウスの釦に彼の指が伸びて外されていく。

「恭司さん、待ってっ……」

「待たない。待ってたら時間が経って、あんたの願いが叶わなくなるぞ」

「……あっ、願いごと? ……ひゃっ」

「なかなか俺の休みを独占できるなんて、そうそうないぞ。この連休が好機だ。ほら」

「きゃっ……」

 スカートをたくし上げられてしまった。

「発情期の雌猫は複数の雄猫の相手をするそうだが、俺は俺以外の雄が俺のものに手をつけるのを許すつもりはない。あんたが他の雄に目移りしないように――いいや、他の雄の子種をもらってこないように――今日と明日でじっくり身体で教え込んでやるから」

 恭司が舌なめずりをすると、美桜の両脚の間に頭を埋めてくる。

「あっ……待って、さっきもあんなに、いっぱい……」

(他の男の子種? あれ? そもそも、お洋服を着て、ミオちゃんの色々を買いに行く予定はどこに行ったの……?)

 しかしながら――恭司は待ってはくれなかった。

「さあ、ミオの世話も一段落ついたことだし……あいつが寝ている間に、俺があんたを可愛がってやるよ」

 土曜日の昼下がり。
 恭司からの長い時間をかけた可愛がりがはじまってしまったのだった。