冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

 そうして、部屋から立ち去ろうとする恭司に向かって、美桜は手招きをした。

「恭司さん、こちらにいらしてください」

「なんだよ?」

「寝ている今がチャンスですよ」

 美桜のそばに恭司が座り込むと、黒猫ミオの身体にそっと手を伸ばした。
 恐る恐るといった調子だ。

「すごく綺麗な毛並みですよね」

「ああ、そうだな」

 恭司の伸ばした手のすぐ近くに、美桜も手を伸ばした。サラサラの黒髪を撫でているとすごく気持ちが良い。

「ふふ、ミオちゃん、サラサラ」

「確かにな」

 そうして――。

「恭司さんの髪みたいにツヤツヤです」
「あんたみたいにサラサラだな」

 二人の声が重なった。

「私?」
「俺?」

 二人して顔を見合わせる。

「ええ、そうです」

「ふうん、そうか。あんたみたいだなって思っていたがな」

 何気なく答えた恭司に対して、美桜はふわりと微笑みかける。

「そうだったんですか? 私は、ミオちゃん、恭司さんの子どもみたいだって思ってました」

 すると――。

「俺の子ども……」

 ――恭司が硬直していた。
 
(おかしなことを言ってしまったかも)

 慌てて美桜は話を逸らした。

「たくさん産んだら、お世話が大変だけど、楽しそうだなって」

「……たくさん産む?」

「はい!」