翌朝、マンションの寝室のベッドの上、恭司はスマホから流れる着信音で目を覚ました。冬なので、まだまだ外は暗い。気だるげな所作で受信マークをタップすると、耳に宛がった。
「……俺だ」
しばらく相手からの反応がなかったが、咳払いする音が聞こえると、通話をはじめた。
『恭司、まだ眠そうなところ悪いが、今大丈夫か?』
相手は――副社長である難波だった。
彼には社長秘書も兼ねてもらっている。
恭司は仕事の電話かと寝ぼけた頭で身構えた。
「仕事か? 眠いから手短に頼む」
『恭司、この間、電話が途中だっただろう? 今日は何もないだろう? 今日の昼のホームパーティ、どうする?』
恭司は気だるげに欠伸をすると、なんとはなしに返した。
「ホームパーティ……? ああ、そういやあ、そんな話をしていたな」
『そうそう。お前がきたら、嫁と子どもたちが喜ぶしさ』
電話口では難波がカラカラと笑っていた。
恭司は気だるげに答えを口にする。
「最近、猫を飼い始めたから、今日の昼は行けないな」
『猫……? なんだよ、お前、急に。トチ狂ったのか?』
「トチ狂ってはいないさ。気が向いたんだよ。しかもだ……」
恭司はゴロリと横を向くと、自分の傍ですやすや眠る女性の姿を眺めた。
頭の中に――彼女が黒猫ミオを抱きしめている姿が浮かんでくる。
「……二匹だ。まだまだ手がかかるんでな」
『そうか、猫を飼うとか、気まぐれだな。そういうところは昔から変わってない』
「……まあな。二匹ともまだ俺に懐いてないから、今日と明日でじっくり躾けるつもりだ」
「……俺だ」
しばらく相手からの反応がなかったが、咳払いする音が聞こえると、通話をはじめた。
『恭司、まだ眠そうなところ悪いが、今大丈夫か?』
相手は――副社長である難波だった。
彼には社長秘書も兼ねてもらっている。
恭司は仕事の電話かと寝ぼけた頭で身構えた。
「仕事か? 眠いから手短に頼む」
『恭司、この間、電話が途中だっただろう? 今日は何もないだろう? 今日の昼のホームパーティ、どうする?』
恭司は気だるげに欠伸をすると、なんとはなしに返した。
「ホームパーティ……? ああ、そういやあ、そんな話をしていたな」
『そうそう。お前がきたら、嫁と子どもたちが喜ぶしさ』
電話口では難波がカラカラと笑っていた。
恭司は気だるげに答えを口にする。
「最近、猫を飼い始めたから、今日の昼は行けないな」
『猫……? なんだよ、お前、急に。トチ狂ったのか?』
「トチ狂ってはいないさ。気が向いたんだよ。しかもだ……」
恭司はゴロリと横を向くと、自分の傍ですやすや眠る女性の姿を眺めた。
頭の中に――彼女が黒猫ミオを抱きしめている姿が浮かんでくる。
「……二匹だ。まだまだ手がかかるんでな」
『そうか、猫を飼うとか、気まぐれだな。そういうところは昔から変わってない』
「……まあな。二匹ともまだ俺に懐いてないから、今日と明日でじっくり躾けるつもりだ」


