冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

 再び停電したマンションの中。
 暗闇の中、美桜は恭司に廊下の壁際へと追い詰められてしまっていた。
 シャワー室から出てきたばかりだから、美桜はまだ裸のままだ。
 彼の両手が彼女の両手首を制してきていて、身動きが取れない。

「御影社長、待ってください」

「あの夜から随分待ったつもりだ。これ以上は待てない」

 あの夜とは、ドイツでの一夜の話だろう。

「あんたが姿を消していたおかげで、抱き足りなかったんだ」

 直接的な言葉を浴びて、美桜の頬が一気に紅潮していった。

「あの日も、たくさんしませんでしたか……?」

「ん? あんたが処女だったから、手加減してやってたんだよ。普通はもっとやるもんだ」

「あれよりも、もっとですか?」

「そうだ」

 美桜は驚いてしまった。
 男性とお付き合いしたことがないので、一日の標準的な回数がよく分かっていない。

(一晩で五回ぐらいしなかった? 普通はもっと多いの?)

 恭司が口の端をゆるりと吊り上げた。

「俺を泣かせた責任に加えて濡れた責任が増えただろう? まだまだ全部の責任を果たしてもらってないからな。だから、続きだ」

「その責任についてはミオちゃんのお世話で帳消しになったんじゃ……!?」

「誰もそんなこと言ってないだろう?」

「そんなの、悪い詐欺師の手口です、暴論です……!」

 恭司がやれやれと言った調子で眉を顰めた。

「今からって時に、騒々しいな」

 恭司の唇が美桜の唇を奪った。
 角度を変えて何度か口づけられる。

「あの日の続きだ。文句も出ないぐらいに気持ちよくさせてやるから」

「……ダメです」

「なんでそんなに俺に抱かれるのが嫌なんだよ? あの夜だって、今だって、だいぶ気持ち良さそうにしてるだろう?」

 恥ずかしいけれど、彼の言った通りだ。
 あの夜に抱かれた時の感覚が蘇ってきていて、このまま彼に全てを委ねたくなってしまっている。
 だけど、今日はお酒を飲んでいない。

(だって……またこの人に抱かれたら、離れられなくなりそう)