冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい


「好きかどうかは分からないが、かなり珍しいタイプだ。ものにしたくなった」

 恭司の瞳は獲物(えもの)を狙う獣のようにギラギラしていた。

(あ……)

 彼の眼差しに囚われて、そのまま動けなくなってしまう。

「ええっと、遊び慣れていない女の人を口説くのは良くないと思います」

「良くないかどうかは、口説いてみないと分からないだろう?」

 彼の手が彼女の顎に添えられると、上向かされる。
 親指が唇に触れてくると、そのまま左右に何度かなぞられる。

「……んっ、な、何を……」

「ああ、悪い。つい」

 恭司からあっけらかんと告げられてしまった。
 美桜があたふたと問いかけた。

「そのう、遊び慣れていない女って言うのは……」

 すると、恭司が熱を孕んだ眼差しでこちらを見つめてくる。

「お前のことだよ」

 ドクン。
 まさか彼が自分の口説き方を尋ねてくるなんて。
 美桜の頬がかあっと熱くなっていく。気持ちを落ちつけたくて、頬にかかった髪を耳元へとかきあげた。

「本人に尋ねるだなんて……冗談ですよね?」

「本人の口説き方なんて、本人に聞くのが一番効率が良いに決まってるだろう? 人それぞれで考えてることなんて違うんだし」

「それは……確かにそうですけれど……」

 ドクンドクンドクン。
 ただでさえ酒に酔っていた美桜だったが、いよいよ夢なのか現実なのか分からないぐらいに頭の中がふわふわしてしまった。
 熱い視線から目を離すことが出来ないでいると、彼の顔がゆっくりと近づいてくる。

(あ……)

 彼の唇が彼女の唇にゆっくりと重なった。
 柔らかな感触と共に心臓が心地よいリズムを奏で始める。

(私、恭司さんとキスしてる)

 初めて異性とキスをしたけれど、なんだかすごく夢見心地だ。
 そっと離れた後、再び彼の顔が近づいてきた。

「んっ……」

 今度は深い口づけだ。
 角度を何度か変えられた後、彼の舌が差し入れられる。
 しばらく彼の舌になすがままにされた後、ゆっくりと離れた。
 二人の視線が絡みあう。

「さあ、俺に続きを教えてくれよ」

 唇を奪われた挙句、思いがけない展開だ。
 美桜は思い切って美青年の袖をぎゅっと握った。
 瞳を潤ませると、彼の顔を覗き、息も絶え絶えに問いかける。

「私が貴方に、何を、ですか?」

「世間知らずの猫の口説き方をな」

 熱を孕んだ二人の視線が混じり合ったのだった。