最後の嘘は、愛だった

蓮へ

この手紙を読む頃、私はもうあなたのそばにはいないと思います。

蓮に話していないことがあります。

実は、蓮と別れる少し前から体調が悪くて、病院に行きました。

そこで、病気が見つかりました。

「余命は1年」

そう言われました。

だんだん体力が落ちていって、歩くだけでも息切れがするようになるって。

病気になった場所が悪くて、日本で手術をするのは難しいみたいです。

助かるには、海外で手術を受けるしかないそうです。

でも、その手術が成功する確率は極めて低いらしいです。

このことを知ったとき、真っ先に頭に浮かんだのは蓮のことでした。

本当は、蓮に言いたかった。

怖いって言いたかった。

助けてって言いたかった。

もっと一緒にいたいって言いたかった。

でも、言えなかった。

だって、蓮に言ったらきっと「待ってる」って言うと思ったから。

手術が成功する保証なんてない。

失敗して、日本に帰ってこられなくなるかもしれない。

そんな状態で、蓮に「待ってる」なんて言わせたくなかった。

蓮ならきっと、私が帰ってこられなかったら、

「もっと早く俺が気づいてれば」

って、自分を責めると思う。

だから言えなかった。

蓮を傷つけたくなかった。

……本当は、別れたくなんかなかったよ。

あのとき「好きな人ができた」って言ったけど、嘘です。

私はまだ蓮のことが好きです。

今も、大好きです。

もっと生きたい。

もっともっと蓮と一緒にいたい。

蓮と一緒に生きたい。

そう思ってる。

だから私は、海外で手術を受けます。

もし帰ってこられたら、そのときは――

また蓮に会いたい。

こんな私を許してね。

今までありがとう。

そして、さようなら。

バイバイ。