碧くんの好きが溢れてる 〜私は貴方の体が目当てなんですけど〜

「大丈夫か?」声も良い。まるでアニメの主人公の声だ。
「は、はい。大丈夫です」

ドキドキする。心臓が飛び出しそうなくらい脈打つ。本当に大丈夫か私。違う意味で大丈夫じゃないみたい!

高校の最寄りの駅に着いた。見つけてしまった細マッチョの彼。白いシャツは、どこの高校生?まだ会えるだろうか。

 駅のホームに降りると彼も一緒に降りた。この駅で降りるのは同じ高校かもしれない。私はお礼を言って彼から離れた。
なんていい日だ。これから高校生活が楽しみだ。

 

 だけど、あれから1度も電車の中で彼に合わなかった。期待通りにいかず、がっかりした。

でもよく考えてみたら、腕の筋肉しか見ていない。顔を知らないので、探すのは無理だ。手がかりは上腕二頭筋のみだ。私の細マッチョ君、どこへ行ったの。

 


 それから、数日が経ち、親友がサッカー部のマネージャーになっていた。私は中学の時から帰宅部だ。クラブに入るのは、面倒なので、親友に誘われてもスルーしてきた。

 今日は学校内で練習試合があるとか。サッカー部のマネージャーの親友は
「部活しないのなら、これだけでも見学に来てよ。部員のテンション上げる協力をして」と言う。

仕方なく応援に参上した。でも女子多い。私いらないんじゃない?帰ろうかと思っていたところに、親友が走ってきた。

「アリス!来てくれたんだ。ありがとうね」
「だって、凛(りん)が困ってそうだから。でも、こんなに女子がいるなら、私いなくてもいいかなぁ」
「何言ってんの。アリスが必要なの。ちょっとごめんね」

凛はそう言うと、私のブレザーのボタンとリボンを外す、ブラウスのボタンも外した。すると胸の谷間が見えた。

「ちょっと何するのよ」
「別に裸になったわけじゃないし、自信持って見せなさい。アリスの可愛い顔と、この大きい胸のギャップが、男子にはたまらないのよ。それに身長148センチは守りたくなる」
「それで協力になるの?」
「当たり前でしょ、ほら」

凛がグラウンドを指差すとサッカー部の男子を見た。一瞬、全員止まっていた。その男子が私と目があった後、動きが俊敏になった。

「アリスに格好いいとこ見せたいから、ああなる」
「嘘…」

男子の単純な発想にびっくりした。でも見ていると、足の筋肉、腕の筋肉が私を取り子にする。男子が私の胸見て頑張るの分かるような気がしてきた。

私の胸が原動力になって、ちょっとエッチな気がするけど、人の事は言えない。私だって、筋肉を見て心躍るのだ。

 後半が終わる。3分前、いきなりボールが私に向かってくる。女子が悲鳴を上げる。速すぎて避けられない。バーンと音を立てて、私の顔に当たった。