「で、何処行くんだよ」
「んー良い所」
羽玖は行き先を教えてくれないまま連れて来られたのは
「び……美術館?」
「翠惺喜ぶよ」
言われるがまま中に入ると
「う……そだろ」
好きな画家の個展だった
知らなかった
「翠惺、静かな場所とか好きじゃん。それで調べていたら中学の時この人好きって言ってたの思い出して」
そんな些細なことをこいつは覚えていたのかよ
胸が苦しい
美術館は人が居なくて貸切状態
静かな空間に俺と羽玖の鼓動だけが聞こえるくらい静かだ
居心地が良い………
「翠惺?」
「……別に」
少しだけ繋がる手に力を入れた
あぁ、この手を離したくない



