嫌われ者、No.1目指して努力中!

「響ちゃんっ!」

体育館の入口に見慣れた姿を見つけ声をかける

「結音ちゃん先輩っ!」

ぎゅーっ とハグをしていると、「来たか」と後ろから声が聞こえてくる。

この声は…と思い振り返ると、其処には翔也さんと鳴海くんが立っていた

「もうビラ配り始めちまってたが…良かったか?」

「勿論っ
遅くなってごめんね。
私もビラ貰える?」

「はいどーぞっ」

「ありがとうっ」

響ちゃんがデザインしたビラ。

誰でも目が止まりやすいデザインで、イラスト付きという豪華なビラ。

皆の持つビラの少なさから見ても手に取ってくれた人は多かったんだろうと予想が着く

そのまま数人に配っていると、「あのっ…」と声がかかった

「はい?」

「い、1枚貰っても…いいですかっ!?」

「はい、どうぞっ…って、あれ…?」

何処か見覚えがあった姿に思わず「あ」と声を漏らす

この女の子達、前に私を呼び出した子達だっ…!

あれ以来呼び出されたりすることは無かったし、声をかけられることもなかった。

一体どうしたんだろう? 

「あの…その、結音…ちゃん。」

先頭に立っていた女の子がおずおずとした様子で口を開く

「…その、ごめん。
この前は…酷いことしちゃって。」

「えっ?」

「…本当にごめん。あたし…達、反省した。」

「ごめんなさい。」

頭を下げる3人

…なんだ。そんなことか。

「気にしないで?
私は気にしてないから。
だから…」

「これからちょっとずつでも、仲良くして欲しいな」

「…結音…っ様っ!!」

「えっ?」

結音…様?

「本当にこれからも応援してます!
演劇部も絶対見ます!」

「これからも頑張ってください!」

「…ありがとうっ
…それで、その…」

「「「?」」」

自分でも今、どれだけ体が熱いか分かる

「…友達、に…っなってくれませんか…?」

「「「!」」」

女の子達が固まっているのがわかる

…どうしようっ!?これはやり過ぎっ…?

「ごめんなさいっ…突然…っ!失礼だったよ…」

「もちろんっ!」

「えっ?」

「ていうか、光栄すぎるって言うか…!」

「むしろ大歓迎ですっ!」

「それじゃあっ…あたし達はこれでっ!」

「へっ…えっ!?」

すごい勢いでいつの間にか私の前から居なくなった彼女達

唖然…としてしまったけど、ふふっ、 と笑いが漏れた

…初めて、友達ができた。

嬉しい…っ…。

雅達もきっと、客観的に見て『友達』という関係である事は自負していた。

それでも、ちゃんと言葉を通してその関係になれたことではなかったから。
正直に言うと…凄く、不安だった。

でも


きっと、あの子達がいたら。

私は大丈夫だと思う。

「結音ちゃん先輩ーっ?」

「そろそろ時間だ。最後の練習するぞ」

「…早く」

「うんっ!」


私はまた、1歩歩き出した

この先に待ち受ける





─悪夢を知らずに