嫌われ者、No.1目指して努力中!

「ここ、どう思う?」

「私はここ…」

今日は主役の翔也さんと響ちゃんのセリフの読み合いと掛け合いを細かく調整する日。

隣では、ロミオの知人役の鳴海くんが1人ヘッドホンをしてパソコンを操作していた。

確かBGMを調整する…とか言ってたよね。

鳴海くんは音楽が好きなのかなぁ…と微笑ましく見ていると、隣から「ねぇ」という声が上げられた

「えっ?」

すると鳴海くんがヘッドホンを外して、私を見ていた

どうしたんだろう…?

「これ、どう思う?」

ヘッドホンを手渡され、聞いてみてって事なのかな…と軽く意図を理解する

そしてヘッドホンを被ると、鳴海くんがパソコンをポチッ と押した

「…わぁ〜っ…!」

耳元に流れてきたのは、様々な楽器と合わさる曲

どこか切なくて、苦しくて愛おしいような思いが溢れ出す音色たち。

曲の雰囲気から察するに、もしかしてラブソング…かな

「これ…ラブソング?」

「そ。
雰囲気に合ってるかどうか聞きたい」

「すごく合ってると思う!
切なくて悲しいバラード…っていうのかな。
そんな曲」

「…そっか。」

「それにしても、良くこんなにぴったりな曲見つけたね…!」

「…俺が作ったから」

…えっ?

「えっ?」

「…何その顔。変なの」

ちょ、ちょっと待って…

「これ…鳴海くんが作ったの!?」

思わず大きな声を上げてしまう

でも、本当にこの曲は凄かった。

音楽に疎い私でも、思わず惹き込まれるような曲

そんな曲を作ったのが、鳴海くんっ…!?

「…やっぱ、変かな」

「変じゃないよっ!
驚いちゃって…でもすごい!
こんな素敵な曲を作れるなんて…」

「鳴海くんは天才だねっ」

そう告げると、鳴海くんの目は少し見開かれ、そして私に背を向けて小さく「…うん」と返された

心做しか耳が赤いように見えるのは、気のせいだろうか。

すると響ちゃんが笑って後ろから現れて、「あれあれ〜?」と鳴海くんをつついていたり

翔也さんが凄く不機嫌そうなのは、気の所為だったかもしれない。