乙女ゲームに異世界転生したら何故かただの市民だったのですが

私は小さな手足をバタつかせながら叫ぶ。


「何で何で何で何でー⁈⁈⁈」

私が寝ていたのはシルクのカーテンが付いた最高級のベットではなく、いかにも普通の白色のベット。

オタクは分かる。

ここは王宮ではもちろんなく、貴族でも公爵家でもない。

ただの『平民』の家の子に生まれたんだ。

名前はエレナ・フェルン。
歳は7歳。

でも幸いな事に、父は腕のいい商人で、何度か貴族と商売したとか。


こう言うのを不幸中の幸いというか、何というか…………

とにかく絶対にゲームのキャラクター達に合う!

私の願いはそれなの!

なーのーにぃー‼︎‼︎


またベットの上で端から端までゴロゴロ転がっていたら、部屋の扉が開いた。


「気分はどう?エレナ」

「へっ⁈あ、えっと、うん!マシだよ〜(焦)」


彼女は私の転生後のお母さん。

綺麗な水色の瞳と、サラサラな黄土色の髪。

いつも気遣ってくれて、とても優しいお母さん。


私が前世の記憶を取り戻したとか言ったらどんな顔するんだろう…………

ショックで倒れちゃったりして…………

うん、ダメだ。
家族にはこの事は秘密にしないと…………

「良かったわ〜。」
ホッとしたようにふわりと微笑む母はまるで聖女だ。

あ、聖女って言葉で思い出した…………

わ、た、しっ!

ゲームに転生した…………

ふっ…………って、ニヤニヤしてる場合じゃなあああいっ!!!!!

どうしよう、このままじゃ一生あの攻略対象様達と会えないよ…っ(泣)

ハッ、お、お母さんがいるんだった…………っ!

「エレナ…?本当に大丈夫なの…?」

「だ、大丈夫だよっ!あ、ほらっ!お母さんもいつも家事とかしてて疲れてるでしょうっ?休んできてっ!」

元気だってアピールするためにマッチョのモノマネをする。

残念ながら力こぶなんて一ミリもできてないけど…………

「…ふふ、そうね、気遣ってくれてありがとうね。エレナは私の自慢の娘…っ」

お母さんがそう言って、私の事をぎゅって抱きしめた。

「え、えへへ…」

今後の事をまとめたいから早く出て欲しいとか言えないぃ〜(泣)