王子は姫を愛したいだけ


「ルシア様ー!ご結婚おめでとうございます!」

「レオン様!!ご成婚おめでとうございます!」


ルシアとの結婚の祝杯を挙げられた。

彼女はニコニコ振舞っていた。

ああ、人前では。


2人きりになると、ルシアはどこかいつも不安げな顔をして、俯いている。

城にルシアが住むようになって結婚に至るまで、当然同じベッドで寝かせられていたが、端っこで眠っていた。

結婚したというのに、まだまともに触れたことがない。


「ルシア」


名前を呼ぶだけで、少し体を跳ねらせる。


「そんなに、俺が怖い?」


ベッドに座るルシアの横に座った。

少しだけルシアの呼吸が速くなった、そんな気がした。


「今日は夫婦になった特別な日だよ。手くらい、繋がせてよ」


ルシアの過去は知らない。

お見合いして、俺の一目惚れで押し切ったようなものだから。

少しだけ優しく微笑んだ顔に、電気が弾けるような恋をした。

ルシアから、好きなんて聞いたことないし、そもそも声だってあまり聞いたことない。

何故お見合いにOKを出してくれたのかは分からない。

ましてや、人生を共にする結婚まで決意してくれたのかさえも。