お姫様になんかなれない


駿希くんは、頭を撫でてきた。


「また、明日ね」


寂しそうに笑ってそう言った。

そして先に、中へと入っていった。

私は立ち尽くしていた。


好きなのに素直になれない私は馬鹿だ。

だけど、ただ好きって言えるほど可愛くないのに、愛情表現できるほど、私だってアホじゃない。

本当はあんな寂しそうな顔、させたくなかった。

じゃあどうしたら、駿希くんに見合う女の子になれる?

整形するか、原型残らないくらいメイクばちばちにするかの2択じゃん…。

どんどん自分が嫌いになっていく。

自己肯定感が低くなっていく。

お姫様になんかなれない。

私も家に帰った。


翌朝、マンションから出ると、駿希くんが待っていた。


「おはよ、華ちゃん」

「おはよう…ずっと待ってたの?」

「まあ、そうだね」


また昨日みたいに頭を撫でてきた。


「手、繋いでいい?」

「学校近くなったら離す…」

「だめ。教室まで繋ぐ」

「じゃあ繋がない」

「お願い、恋人らしいことさせて?」


遅刻もしそうだし、仕方なく要望を飲んだ。

でもずっと私はそわそわしていた。

釣り合わない。

王子と庶民が手繋いでる。

どういう状態?