お姫様になんかなれない


私と向かい合わせになるように抱き締め直してきた。


「俺は、華ちゃんがどれだけ俺の好きを否定しても、別れる気無いからね。好きな子、手放すつもりはない。何年片想いしてきたと思ってるの」

「片想いする相手間違ってるよ…誰1人として、お似合いなカップルだなんて思ってない」

「華ちゃん、卑屈なのやめよ?ね?好きな子が、自分のこと貶すの、すごい嫌だ」


私がもっと美少女だったら、自信もって駿希くんの横歩けるのに。

自信もって彼女だって言えるのに。

怖いんだよ、周りの目が。


「逃げないから、離して」

「…分かった」


私はとぼとぼと家路についた。

その横を、歩幅を合わせて駿希くんは歩いてくれる。

無理に手を繋ごうとせず、ゆっくりと。

そのままマンションに着いた。

涙は乾いていた。


「じゃあ…ね」

「明日学校、一緒に行かない?」


私はふるふると首を横に振る。


「華ちゃんと、ずっと一緒にいたいな」


私も好きだよ、一緒にいたいよ。

その一言が、私にはどうしても言えなかった。