王子は愛は届かない


放課後、一緒にそのカフェでふわふわのパンケーキを食べて、一緒に帰る。


「そういや同じマンションだったね」

「うん」


私はオートロックの鍵を開けて、2人で中に入る。


「じゃあね」

「うん!また明日!」


たかが同じ学校の同じクラスの同じマンションの人間に見せるような笑顔じゃなかった。

なんでそんな、とろけるような笑顔見せるのよ…なんて。

心がぎゅってなった。


それから、週に2~3回、放課後に散歩とか含めて、遊びに行くようになった。

帰り道のこと。


「部活とか、やらないの?運動神経いいのに」

「んー、部活って青春!って感じもあるけど、縛られてる感もあるからそれが嫌でやってないかなぁ」

「そうなんだ」

「それ言ったら華ちゃんだって部活やってないじゃん」

「やる気起きなかった」

「そっかそっか」


優しく笑った。

マンションの前に着いて、


「待って」


と言われた。


夏のセーラー服が、風に靡いた。