お姫様になんかなれない


「華ちゃん!」


後ろから声がする。

走ってくる音がする。

もうほっといてよ…。


「HR始まるよ、どこ行くの」

「知らない知らない知らない!もういい加減にして!ほっといて!」


手首を掴んで、引っ張ってきた。


「いいから戻ろ?」


私はどうしようもなくなって、振り返ってビンタしていた。


「いった…」


手首を離した隙に、私は家路についた。


恋愛なんて残酷だ。

いくら好き同士だとしても、釣り合う釣り合わないが存在する。


家に着いて、部屋着に着替えて、ベッドにダイブした。

そして家族チャットに


<今の高校は辞める>
<通信制高校に転入したい>


と、送った。

そしていつの間にか眠っていた。


気付けば17時。

かなり寝ていた。

ドアのノック音がする。


「何?」

「入るよ」


母の声だった。


「うん」

「高校辞めたいって、何があったの?」

「…なんかまあ、色々。疲れちゃった」

「そっか。引き止めはしないよ。通信制高校、探そっか」

「うん…あと、なんか食欲ないや」

「大丈夫?具合悪いの?」

「ストレスかな」

「ゼリーくらいは食べなよ」


そう言って母は部屋を出て行った。