お姫様になんかなれない


教室に着くと、私はばっと手を離した。

でも傍を離れてはくれなかった。


「放課後どこ行く?」

「家帰る」

「じゃあ…一緒に帰ろ」

「他の人と帰ってください」

「華ちゃんがいい」


また泣きそうになった。

生徒の視線を感じる。

私はこの人といちゃいけないんだよ。


「どうしたのー?喧嘩?」


学級委員のまおちゃんが来た。

この子こそ、お姫様みたいに可愛い子だ。


「喧嘩はしてないよ、大丈夫」

「でも付き合ってるのに、なんでそんなギスギスしてるの?」

「それは…まあ…」

「まおだったら、駿希くんのこと、こんな困らせないのになぁ?」


気付いたら拳を握っていた。


「…もういい、知らない。私みたいな可愛くないのじゃなくて、まおちゃんみたいなお姫様と付き合えばいい!」

「俺が好きなのは華ちゃんだし、俺のお姫様は華ちゃ…」

「いい加減にしてよ!」


私は教室を出ていった。

もう全部どうでもいい。

学校も辞めてやる。