王子は愛は届かない


小学生の時から、優しくてイケメンで、モテモテの王子様みたいな人がいた。

例に漏れず、私にも優しくしてくれていた。

同じマンションで、長期休み前なんかは、持ち帰る物を持ってくれた。


小学校卒業後は中高一貫で、同じ所に何故か通っていて、腐れ縁だった。

不思議なことに、彼は一度も彼女を作ることはなかった。


ノートやプリントを運んでいれば、


「華ちゃん、俺も持つよ」


と、すぐ気付いてやってくる。

貧血になりやすい私が、廊下でへたりこんでると、


「貧血になっちゃった?保健室行く?」


と、軽々持ち上げて保健室に連れて行ってくれる。

誰かが困っていればすぐ声をかけに行く。

私が困っていると、すぐ駆けつけてくれる。

小学生の頃からずっと変わらなかった。


私の気持ちだって、ずっと変わらなかった。