「――みっともない真似は、いい加減その辺になさいませ」
凛とした、声。
おじい様の隣に立っていた麗華さんが、パチンと優雅に扇子を閉じて前に進み出た。
「麗華くん!? 君からも言ってやりなさい、この馬鹿孫に!」
「いいえ。わたくしが馬鹿馬鹿しいと思っているのは、おじい様方の方ですわ」
「……なっ!?」
絶句するおじい様をよそに、麗華さんは美しい真紅のドレスを翻し、私の目の前までやってきた。
そして、ニッコリと、本当に楽しそうな笑顔を浮かべたのだ。
「初めまして、陽菜さん。わたくし、東郷麗華と申します。噂には聞いておりましたが、とっても可愛らしい方ですね。朔様にはもったいないくらい!」
「えっ……あ、初めまして……?」
てっきりビンタでもされるのかと身構えていた私は、拍子抜けしてパチクリと瞬きをした。
麗華さんはクルリとおじい様の方を振り返ると、ビシッと扇子を突きつけた。
「だいたい、おじい様方の『自分たちの初恋の相手の孫同士をくっつける』なんていう時代錯誤な妄想、本当に気持ち悪いですわ! わたくしのおばあ様も、『昔の男の未練なんて反吐が出る』と心底呆れておりましたよ!」
「へ、反吐……っ!?」


