「っ……先輩?」
「お前を絶対に見つけ出すって、自分の足で走り回ってたからな。……だからこのまま歩くぞ」
乱れた黒髪の間から覗く、少しだけ照れたような、でも有無を言わせない強い瞳。
繋がれた手から伝わってくる先輩の熱い体温に、私の心臓はまたしてもドクンと大きく跳ねた。
「歩くって……どこにですか?」
「決まってんだろ。俺の専属スタイリストが待機してる、提携サロンだ」
有無を言わさず、私の手を引いて歩き出す朔先輩。
「言っただろ。当日のドレスは、俺が見立ててやるってな」
ニヤリと、獲物を絶対に逃がさない肉食獣のような笑みを浮かべる。
クリスマスイルミネーションの光に照らされた、タキシード姿の絶対君主。
繋いだ手を引かれて夜の街を歩き出した私は、自分の運命がもう完全にこの強引な王子様に握られていることを、悟るしかない。


