「お前ら、後は適当に片付けとけ」
「はいはい、了解。……じゃあお嬢さんたち、お騒がせしてごめんね。メガポテト、僕たちのおごりだから美味しく食べて!」
「陽菜ちゃんは、僕たちがお城へ連れ帰るからね! ばいばーい!」
蓮先輩がパチンと甘いウインクを飛ばし、藍里先輩がニッコリと笑ってテーブルにブラックカード(!)をそっと置く。
クラスメイトたちが「ひえええっ」と崩れ落ちるのを横目に、朔先輩は私を抱きかかえたまま、堂々とした足取りで部屋を出た。
店の外に出ると、ピリッとした冷たい冬の空気が火照った頬を撫でた。
「ちょっ、朔先輩! もう外ですから降ろしてください! 歩けますっ、自分で歩けますからぁぁ!」
「暴れんな。お前は逃亡の前科があるからな」
真っ赤になってバタバタと抗議する私を、先輩は駅前のイルミネーションが輝く大通りまで運ぶと、ようやくそっと地面に下ろしてくれた。
けれど、ホッとしたのも束の間。
逃げられないように、私の右手をギュッと、指を絡めるように強く握りしめてくる。
いわゆる、恋人繋ぎというやつだ。


