ひんやりとした廊下の突き当たり、調香室のドアの隙間から、かすかにオレンジ色の明かりが漏れているのが見えた。
(あれ……先生がまだ残ってるのかな?)
ホッと胸を撫で下ろし、ノックをしようと近づいた瞬間、中から小さく、ガタッと椅子を鳴らす音が聞こえた。
続いて聞こえてきたのは、聞き間違えるはずのない、あの低くてぶっきらぼうな少年の声だった。
「……あー、クソ、マジで意味わかんねぇ。なんなんだよ、これ……」
「千瀬くん……?」
ドアの隙間からそっと中を覗き込むと、そこには白シャツの袖を捲り上げ、頭を抱えて机に突っ伏している千瀬くんの姿があった。
そして彼の目の前に開かれていたのは、私が忘れていった、あの茶色い研究ノートだった。
彼は片手で真っ赤になった顔を覆い、ガシガシと乱暴に髪を掻きむしりながら、誰もいないはずの部屋でうわ言のように呟いていた。
(あれ……先生がまだ残ってるのかな?)
ホッと胸を撫で下ろし、ノックをしようと近づいた瞬間、中から小さく、ガタッと椅子を鳴らす音が聞こえた。
続いて聞こえてきたのは、聞き間違えるはずのない、あの低くてぶっきらぼうな少年の声だった。
「……あー、クソ、マジで意味わかんねぇ。なんなんだよ、これ……」
「千瀬くん……?」
ドアの隙間からそっと中を覗き込むと、そこには白シャツの袖を捲り上げ、頭を抱えて机に突っ伏している千瀬くんの姿があった。
そして彼の目の前に開かれていたのは、私が忘れていった、あの茶色い研究ノートだった。
彼は片手で真っ赤になった顔を覆い、ガシガシと乱暴に髪を掻きむしりながら、誰もいないはずの部屋でうわ言のように呟いていた。

