一人で調香室に籠もり、フラスコと向き合い続けた。
千瀬くんに負けたくない一心で、ベルガモットの配合を何度も計算し、気づけば窓の外はすっかり帳(とばり)を下ろしていた。
完全に行き詰まった私は、重い息を吐いて片付けを終え、逃げるように校門をくぐった。
――けれど、最寄り駅の改札の前で、私は自分の致命的なミスに気づいた。
「あ……嘘、研究ノートがない」
すべての配合データや、千瀬くんの香水の分析を書き留めた世界に一冊しかない大切なノートだ。
あそこに置いたまま、カバンに入れ忘れてしまったらしい。
「どうしよう……鍵、まだ開いてるかな」
焦りで心臓をバクバクさせながら、私は夜の静まり返った学校へと引き返した。
外灯に照らされた校舎はひっそりとしていて、昼間の賑やかさが嘘のようだ。
私は足早に階段を駆け上がり、廊下の奥にある調香室へと向かった。
千瀬くんに負けたくない一心で、ベルガモットの配合を何度も計算し、気づけば窓の外はすっかり帳(とばり)を下ろしていた。
完全に行き詰まった私は、重い息を吐いて片付けを終え、逃げるように校門をくぐった。
――けれど、最寄り駅の改札の前で、私は自分の致命的なミスに気づいた。
「あ……嘘、研究ノートがない」
すべての配合データや、千瀬くんの香水の分析を書き留めた世界に一冊しかない大切なノートだ。
あそこに置いたまま、カバンに入れ忘れてしまったらしい。
「どうしよう……鍵、まだ開いてるかな」
焦りで心臓をバクバクさせながら、私は夜の静まり返った学校へと引き返した。
外灯に照らされた校舎はひっそりとしていて、昼間の賑やかさが嘘のようだ。
私は足早に階段を駆け上がり、廊下の奥にある調香室へと向かった。

