ひまわりが咲く場所で(続)

季節は巡り、また夏が訪れた。

瑠唯と梨衣は、あの日と同じひまわり畑に立っていた。

風に揺れるひまわりは、あの日と変わらず、まっすぐ太陽を見つめている。

「今年は、ちゃんと来られたね。」

梨衣が微笑む。

「ああ。」

瑠唯は短く答えた。

以前なら、それで会話は終わっていた。

けれど今は違う。

瑠唯はそっと梨衣の手を握る。

「……もう離さない。」

梨衣は少し驚き、それから優しく笑った。

「先生がそんなこと言うなんて。」

「病院では言わない。」

「じゃあ、ここだけ?」

「ここだけだ。」

不器用な返事に、梨衣は思わず笑い声をあげた。

その笑顔を見て、瑠唯も小さく口元を緩める。

「梨衣。」

「なに?」

「前世のお前も大切だった。」

瑠唯はまっすぐ梨衣を見つめる。

「でも、俺が守りたいのは、今ここにいる梨衣だ。」

「莉緒の生まれ変わりだからじゃない。」

「お前だから、一緒にいたい。」

梨衣の瞳に涙が浮かぶ。

「……ありがとう。」

「私も、瑠唯だから好き。」

二人は静かに抱きしめ合った。

吹き抜ける風が、ひまわりを優しく揺らす。

あの日交わした約束。

『生まれ変わっても、必ず見つける。』

瑠唯はその約束を守った。

そして梨衣もまた、瑠唯のもとへ帰ってきた。

もう二人を引き裂くものはない。

過去を乗り越えた二人は、これからは”今”という時間を大切に生きていく。

どんな未来が待っていても、隣には互いがいる。

そう信じながら――。