またあなたに会えるなら、この花が咲く庭で。

ドサッ

もう、だめだ。

「先に、行ってください」

「……分かった」

地図に印した集落や休息場所は行き尽くした。

通訳の仕事も、終わりだ。

腹が減ったな。

水が飲みたい。

そうだ。

若きウェルテルの悩み。

⸻お嬢さん。


カサカサ!

⸻運が悪かったな。

最後にお嬢さんの顔が見られただけでも幸運か。

敵兵が2人。

銃を持っている。

手に触れた。
これは、手榴弾。
自分でも忘れていた。

私は何者なのか。

どう生きるべきなのか。

ウェルテルにとってそれは深刻な問題であった。

自決。

悠久の大義。

死ぬことは分かっていた。

では、なぜ死ぬのか。

……分からなかった。



カシャ!
カシャ!
敵兵が銃の安全装置を抜いた。

いよいよ最後か。


散々運任せ出来たのだ。


「I… surrender. I wish… to be taken… prisoner.」