有能な私が溺愛されて当然ですけど、怖すぎることに気づき、謙虚の意味を理解する

 転生者である私は、公爵令嬢、ジャンヌとなって、前世ならば別にたいしたことないレベルのことも、この世界では画期的みたいなことで、たくさんの問題を解決してきた!



 これにより、王太子様からも溺愛され、「君と結婚をしないと私は存在意義が無い!」

 などという凄いプロポーズをされ、さらに他の貴族令息にも求められてしまったが、王太子様が権力で黙らせることで、私との結婚が決まったのであった!



 私といえばまぁ……「私ほどの女ならば王太子が口説いて当然よね、イケメンだし身分もあるからいいでしょう!」という態度であった!




 こうして私は権力まで手に入れた結果、ますます活躍することが増えて、もはや陛下ですら「うーむワシ引退して、ジャンヌを女王にしたほうがよくね?息子は王配だ!」


 などと言い出す始末。


 流石に私と周りが止めたのでそれは実現しなかったが、これにより、私の言動は王よりも重いという空気が形成されたのであった!



 そんなある日、私が提案してできた学校という仕組みから、とても成績優秀で天才と呼ばれる少年が現れた!



 私が学校を提案した理由は、教育水準がみんな高いほど国が強くなるという、底上げ的な意味で、前世の日本が何だかんだ、アホがいても、世界水準では救いが無いアホが少ないことが良かった理由だと思っていたので、別に天才の出現のために学校を作ったわけでは無いのだ!



 しかし周りは言う。



「ジャンヌ様は天才を創造するために、学校をお作りになったのだ!流石である!」



 私はこれについて、「そうよその通り、私の言う通りなのよ!」



 とつい言ってしまったが、完全に偶然かまぐれの類である!




 時間がたつにつれ、段々当初の想定とは違うラッキーが出るたびに、



「すべてはジャンヌ様は見抜いておられたのだ!」


 なんて声が上がり過ぎて、いや違うんだけど……って思いつつも、お調子者の権化の私は


「そうなのよ!」



 と言い続けた結果、ついに預言者のような扱いになってしまった。



 夫である王太子が言う「ジャンヌよ、どうしたらいいか分からぬ、予言をしてくれないか?」



「……」



 私はヤバいってことに気づいた。



 だって予言なんてしようにも私に分かるわけが無い!



 でももう期待値が膨れ上がってしまって、どうしたらいいか分からない!




 私は一生道化なのだろうか?


 分からないのに知ったか予言を繰り返すしか無いのか?



 だがこれって、最悪私の適当な予言で国が傾くってことよね?


 かといって予言をしないと私の立場が終わってしまうし、どうしたら?


 国が傾くのも困る、私が困るのも当然困る!



 ああそうか、前世で謙虚が大事とか言われていたのは、人格者がどうみたいな偽善じゃなくて、自分には耐えられない他人の期待値を下げるために必要だったんだ!



 だがもう遅い。



 私は自分が追放されたくないので、偽物の予言者として、国が傾きませんようにと祈りながら、適当なことしか言えない道化となり果てたのである!



 だって、前世の知識で手に負えるレベルじゃないくらい、みんな私が言うことの期待値が上がり過ぎているのだから!


 私が言えば、それはすぐに絶対に成功する神託である!


 ここまで期待されているのだから……!

 こうなったら死ぬまで騙すしかないわね!


 私が生きている間問題が起きませんように!



 うん完全な詐欺師だね!