いつもと同じように二時を過ぎたあたりで昼休憩に向かう。
席を離れる時、畠中君が長沼さんと何か話をしていた。
同世代だからか二人とも打ち解けあって和やかな雰囲気だ。
いいんじゃない、あの二人。
お節介かもしれないけどそんなことを思う。
そう思うのに、ハンバーガー屋さんに向かって歩いていると体の奥でどこかがズキッと痛む。
さっき見た畠中君の笑顔を思い出す。
その笑顔と畠中君の手書きで書いた文字が重なっていく。
ハンバーガー屋さんに到着していつものチーズバーガーセットを頼む。
今日はやけに店内の様子が気になる。
昼過ぎの時間にも関わらず、学生らしきカップルが何組かいる。
男女で向かい合いながら美味しそうにハンバーガーを頬張ったり、サイドメニューを分け合っている。
ここのハンバーガー屋さん、こんなにカップルの割合が高かったっけ?
誰かと一緒にハンバーガーを食べたのなんて、もう何年も前の話になるだろう。
畠中君の顔が浮かび上がる。
いやいや、別に私、畠中君のことが好きなわけじゃないし。
私は文字フェチで、それで畠中君の書いた文字がいいなって思うだけだし。
ふと畠中君と長沼さんが二人でハンバーガー屋さんに来るところを想像した。
二人は別々のハンバーガーを注文して、お互いのハンバーガーを一口ずつ交換しながらポテトやナゲットをシェアするんだろうな。
同年代の二人の組み合わせはすぐそこにいたとしても違和感はない気がした。
うん、全然、それでいいと思うのに。
なんで私、こんなに虚しい気持ちになるんだろう。
畠中君がどんなハンバーガーを注文するのかも私はイメージできない。
それなのに、もし私が畠中君とハンバーガー屋さんに来たら。
きっと畠中君はメニューの中から自分が食べたいハンバーガーを選んで、私が食べるのと同じペースで食べるだろうなって。
手書きの文字から連想して、そんなことを考えてしまう。
いやいや、私と畠中君が二人でハンバーガー屋さんに行くなんて。
そんなのあり得ないってわかっているのに。
私と畠中君は十歳も歳が離れているし。
ただの職場の先輩と後輩だし。
仕事以外の話なんてほとんどしないし。
それに私が可愛い服を着ても、気付いてもくれないのに。
なのに、長沼さんと一緒に出かけてほしくない。
畠中君と向かいあって二人でハンバーガーを食べてみたい。
どうして私、そんなこと思ってしまうんだろう。
いつの間にか手元のチーズバーガーが残りわずかになっていた。
チーズバーガーの包み紙には英語がつらつらと書いてある。
文字が太く丸みを帯びたおしゃれな字体でアメリカンなイメージが伝わってくる。
だけどこの文字を欲しいとは思わない。
他にもハンバーガー屋さんにはポスターやパンフレットなど文字は溢れているのに。
ここには私の欲しい文字はどこにもない。
私が欲しいのは畠中君が書いた、あの文字だけ。
手を伸ばせばすぐに触れられるのに、どれだけ伸ばしても届かない。
スマホを開くと社用のアドレスにメールが一件届いていた。
送り先を見て、思わず立ちすくむ。
畠中君が私にメールを送ってきた。
件名は電話の取次メモだ。
明朝体で書かれた電子の文字の文章がなかなか頭に入ってこない。
畠中君はもう私にあの手書きのメモを書いてくれないのかな。
そのことで脳の処理リソースがいっぱいになっている。
私の連絡をメールでサクッと済ませて、長沼さんや榎本さんと話しているのかも。
お守りがわりに入れていた畠中君の書いた手書きのメモを見返す。
私はこの文字が好きだ。
この文字に囲まれて抱かれたい。
誰かにこの文字を渡したくない。
急いで立ち上がり、ハンバーガー屋さんを後にする。
休憩終了までまだ三十分くらい残っている。
けど、そんなことお構いないしに会社に向かって急ぎ足で駆け出した。
席を離れる時、畠中君が長沼さんと何か話をしていた。
同世代だからか二人とも打ち解けあって和やかな雰囲気だ。
いいんじゃない、あの二人。
お節介かもしれないけどそんなことを思う。
そう思うのに、ハンバーガー屋さんに向かって歩いていると体の奥でどこかがズキッと痛む。
さっき見た畠中君の笑顔を思い出す。
その笑顔と畠中君の手書きで書いた文字が重なっていく。
ハンバーガー屋さんに到着していつものチーズバーガーセットを頼む。
今日はやけに店内の様子が気になる。
昼過ぎの時間にも関わらず、学生らしきカップルが何組かいる。
男女で向かい合いながら美味しそうにハンバーガーを頬張ったり、サイドメニューを分け合っている。
ここのハンバーガー屋さん、こんなにカップルの割合が高かったっけ?
誰かと一緒にハンバーガーを食べたのなんて、もう何年も前の話になるだろう。
畠中君の顔が浮かび上がる。
いやいや、別に私、畠中君のことが好きなわけじゃないし。
私は文字フェチで、それで畠中君の書いた文字がいいなって思うだけだし。
ふと畠中君と長沼さんが二人でハンバーガー屋さんに来るところを想像した。
二人は別々のハンバーガーを注文して、お互いのハンバーガーを一口ずつ交換しながらポテトやナゲットをシェアするんだろうな。
同年代の二人の組み合わせはすぐそこにいたとしても違和感はない気がした。
うん、全然、それでいいと思うのに。
なんで私、こんなに虚しい気持ちになるんだろう。
畠中君がどんなハンバーガーを注文するのかも私はイメージできない。
それなのに、もし私が畠中君とハンバーガー屋さんに来たら。
きっと畠中君はメニューの中から自分が食べたいハンバーガーを選んで、私が食べるのと同じペースで食べるだろうなって。
手書きの文字から連想して、そんなことを考えてしまう。
いやいや、私と畠中君が二人でハンバーガー屋さんに行くなんて。
そんなのあり得ないってわかっているのに。
私と畠中君は十歳も歳が離れているし。
ただの職場の先輩と後輩だし。
仕事以外の話なんてほとんどしないし。
それに私が可愛い服を着ても、気付いてもくれないのに。
なのに、長沼さんと一緒に出かけてほしくない。
畠中君と向かいあって二人でハンバーガーを食べてみたい。
どうして私、そんなこと思ってしまうんだろう。
いつの間にか手元のチーズバーガーが残りわずかになっていた。
チーズバーガーの包み紙には英語がつらつらと書いてある。
文字が太く丸みを帯びたおしゃれな字体でアメリカンなイメージが伝わってくる。
だけどこの文字を欲しいとは思わない。
他にもハンバーガー屋さんにはポスターやパンフレットなど文字は溢れているのに。
ここには私の欲しい文字はどこにもない。
私が欲しいのは畠中君が書いた、あの文字だけ。
手を伸ばせばすぐに触れられるのに、どれだけ伸ばしても届かない。
スマホを開くと社用のアドレスにメールが一件届いていた。
送り先を見て、思わず立ちすくむ。
畠中君が私にメールを送ってきた。
件名は電話の取次メモだ。
明朝体で書かれた電子の文字の文章がなかなか頭に入ってこない。
畠中君はもう私にあの手書きのメモを書いてくれないのかな。
そのことで脳の処理リソースがいっぱいになっている。
私の連絡をメールでサクッと済ませて、長沼さんや榎本さんと話しているのかも。
お守りがわりに入れていた畠中君の書いた手書きのメモを見返す。
私はこの文字が好きだ。
この文字に囲まれて抱かれたい。
誰かにこの文字を渡したくない。
急いで立ち上がり、ハンバーガー屋さんを後にする。
休憩終了までまだ三十分くらい残っている。
けど、そんなことお構いないしに会社に向かって急ぎ足で駆け出した。



