お見合い妻はエリート外科医の溺愛に気付かない




 そんな出会いから、月に一回程度食事に出かけるようになって、半年が経った頃のこと。

『良かったら俺と……じゃなくて、僕と結婚してください、万葉さん』

『どうして私なんですか?』

『お嬢様で上品で可愛いくて、年下の女性って感じで年上の俺を立ててくれるところも良いんですけど、何より仕事に理解がある。この間も患者対応で会えないって言ったら、『私よりも患者さんを優先してください』って言ってくれて……それに、僕みたいなだらしないやつを待ってくれる女性はなかなかいないですからっ!』

 一臣は謙遜するタイプの男性のようだ。少なくとも万葉と会っている間はだらしないと思ったこともないし、すごく患者さんファーストで、忙しい中でも時間を作ってくれていたからだ。

『分かりました、私で良ければぜひ』

 プロポーズを承諾した時に、一臣が少年のような笑みを浮かべていたのが忘れられない。