新婚中の冬月万葉(ふゆつきかずは)は、当直続きの夫に忘れ物を届けにタクシーで向かっていた。 (一臣(かずおみ)さん、執刀が終わっている頃かしら?) 移り変わる景色を窓から眺めながら、半年前に夫となった冬月一臣(ふゆつきかずおみ)との出会い――一年半前の出来事を思い出していた。