未来と過去とイフがわかるお嬢様の学園生活

「自分が言われて嫌なことは、
人に言わない方がいいぞ。
やっぱり、お母様の子供だな」

 クリチェートの冷ややかな発言に、
 私は反論せずにはいられなかった。

「そこでお母様の話題を出さないで。
私はあんな人の子じゃない。
お母様とは完全に縁を切ったのよ」

 私の大嫌いなお母様。
 本当の血のつながった母親のはずなのに、
 あの人のことが嫌いで嫌いで仕方がなかった。
 口にするのも思い出すのも嫌だ。
 あんな人の顔なんて見たくもない。

「何の話をしているのかは知らないけれど」
 どういうわけか、北島さんは不敵な笑みを浮かべていた。
「ここが君たちの墓場になる。
それが確定したんだよ、今、ここでね」

 勝利の笑みが浮かびそうになるのを、
 私は必死でこらえた。

「何度も言うけれど、墓場に入るのは誰の方かな?」

「その絶対的な自信は、一体どこから来ているの?」

「どこからでも来るわよ。
それに、私には『確証』があるの」

 私が見ていた未来には、
 まだ続きがあったのだ。

「——そろそろだね」

 次の瞬間、激しい爆発が起こり、
 建物がガラガラと崩れ始めた。

「な、何が起こっているの!?」
 不意を突かれた北島さんが、
 激しく狼狽する。

「グッバイ。
元気でね」

 私はそれだけ言い残し、
 その場を後にした。

 出口がどこにあるかなんて、
 未来を見れば一目瞭然だ。
 まさかここにテロリストがやって来て、
 この建物を爆破するなんて、
 誰一人として予想していなかっただろう。

 さあ、そろそろ帰ろう。