未来と過去とイフがわかるお嬢様の学園生活

 何なのか分かる必要なんてない。
 暗くてどこに何があるか分からなくても、
 未来とイフを見れば、
 どっちの方角に投げればいいかが分かる。

 すごい音がしたような気がした。
 だけど、かまわない。
 扉は壊れて倒れたのだから。
 そこで、明るい光が見えた。
 まぶしくて一瞬だけ目をつぶってしまったけれど、
 すぐに開けられた。
 そこまで長い時間、暗闇にいたわけではなかったから。

「クリチェート、行くわよ」
 宙に浮いていたクリチェートは何も言わず、
 私の肩にふわりと乗った。

 迷路のように見えても、
 私にとってはなんの問題にもならない。
 どこに進めばいいかは分かっている。
 歩き続けると、
 緑髪の女の子と出会った。偶然ではない。私はこの未来を想定しながら進んだのだから。

 制服からして、
 同じ白薔薇学園の生徒だろう。

「なぜ、ここにいるの?」

 この女の子は、
 確か北島緑(きたじま りょく)
 過去視で分かった。

「うちの学校の制服だよね?」

 北島さんが質問を投げかけてくる。
 私は、最初に投げかけられた質問から答えることにした。

「カンツウォーネに誘拐されたからよ」

「……また、捕まえたほうがいいってことだね。
カンツウォーネ様のことだから」

「その必要はないわ」

「なぜ、君がそう断言するの?」

「私はカンツウォーネにとっても、
君にとっても、
都合の悪いことしかしない。
それに、私は君に会いに来たの」

「うちに?」

 北島さんは眉をひそめていた。

「君のやろうとしていること、
ぜーんぶ当てにきたの」

 私の発言に、
 北島さんはますます不思議そうな顔をした。

「これから君は、
内通者として——ううん」