ひまわりが咲く場所で

大学のキャンパスに戻った俺は、いつも以上に引き締まった気持ちで講義に臨んでいた。
ノートに向かうペンの先が、自然と滑らかに動く。
目の前のスクリーンに映し出される医療のデータや症例の数々は、ただの「勉強」ではなく、いつか彼女と、そして多くの患者と向き合うための「武器」なんだと、今の俺にははっきりと分かっていた。
「……瑠唯、なんか最近、雰囲気変わったな。めちゃくちゃ気合い入ってんじゃん」
講義の合間、友人が不思議そうに俺の顔を覗き込んできた。
「そうか? ……まあ、ちょっと絶対に負けられない理由ができてさ」
「なんだよそれ。ますますカッコつけやがって」
友人は笑いながら俺の肩を小突いたけれど、俺はただ、カバンに揺れる2つの星を見つめて小さく微笑んだ。
莉緒。
お前が新しく始めたその人生を、俺は陰ながら、全力で応援する。
あの子がいつか立派な看護師になって、誰かの光になるその日まで、俺はあの子の一歩先を歩む、頼れる存在であり続けたい。
運命がもう一度俺たちを引き合わせてくれたのなら、この偶然を、俺は一生離さない。
夕暮れ時、大学の屋上から見上げた空は、あの日ひまわり畑で見たのと同じ、温かい黄金色に染まっていた。
俺たちの未来は、今、同じ場所に向かって確かに繋がり始めている。