「じゃあ、また!」
そう言って雑踏の中に消えていく彼女の後ろ姿を、俺はしばらくその場から動けずに見つめていた。
胸の鼓動が、ドクドクと早く、そして激しく波打っている。
ただの「面影が似ている女の子」との偶然の再会。そう自分に言い聞かせようとしても、理屈じゃない何かが、俺の全細胞を揺さぶっていた。
パンフレットを見せてくれたときの、あの弾むような声のトーン。
別れ際、小さく手を振ったときの、指先のちょっとした癖。
そして何より、医療の道を目指しているというその強い眼差し。
(違う。ただ似ているだけじゃない……)
脳裏に、莉緒が旅立つ直前に遺してくれたあの言葉が、鮮烈に蘇る。
『私の心は、ずっとお揃いのキーホルダーの中にいるからね』
『るいくんが大好きだったこの世界で、私は――』
そして、あの不思議な夢の中で莉緒が言った『いってきます』という言葉。
「いってきます」は、終わりを告げる言葉じゃない。またどこかで会うための、約束の言葉だ。
あの時、莉緒の旅立ちと入れ替わるように、この世界に新しく芽吹いた命。
あの子が、あの路地裏で理由も分からず俺の前に現れ、俺に救われ、そして今、莉緒と同じように「誰かを救う道」を選ぼうとしている。
点と点が、目に見えない運命の糸で、一本の美しい線に繋がった。
「莉緒……お前、本当に戻ってきたんだな」
確信だった。
目の前が、あの日二人で見たひまわり畑のように、一瞬で鮮やかな黄金色に染まっていくような感覚。
姿かたちは違っても、あの優しくて強い魂は、ちゃんとこの世界に生まれ変わって、また俺の前に現れてくれたんだ。
カバンについたキャメル色の星のキーホルダーが、夕日に照らされて、今までで一番強く、きらりと輝いた。
「待ってるからな」
俺はあの子が歩いていった空を見上げ、確かな決意を込めて呟いた。
お前がもう一度この世界で立派な花を咲かせるまで、今度は俺が、この場所でずっとお前を支え続ける。
胸の中のひまわりは、もう二度と枯れることのない、永遠の光を放っていた。
そう言って雑踏の中に消えていく彼女の後ろ姿を、俺はしばらくその場から動けずに見つめていた。
胸の鼓動が、ドクドクと早く、そして激しく波打っている。
ただの「面影が似ている女の子」との偶然の再会。そう自分に言い聞かせようとしても、理屈じゃない何かが、俺の全細胞を揺さぶっていた。
パンフレットを見せてくれたときの、あの弾むような声のトーン。
別れ際、小さく手を振ったときの、指先のちょっとした癖。
そして何より、医療の道を目指しているというその強い眼差し。
(違う。ただ似ているだけじゃない……)
脳裏に、莉緒が旅立つ直前に遺してくれたあの言葉が、鮮烈に蘇る。
『私の心は、ずっとお揃いのキーホルダーの中にいるからね』
『るいくんが大好きだったこの世界で、私は――』
そして、あの不思議な夢の中で莉緒が言った『いってきます』という言葉。
「いってきます」は、終わりを告げる言葉じゃない。またどこかで会うための、約束の言葉だ。
あの時、莉緒の旅立ちと入れ替わるように、この世界に新しく芽吹いた命。
あの子が、あの路地裏で理由も分からず俺の前に現れ、俺に救われ、そして今、莉緒と同じように「誰かを救う道」を選ぼうとしている。
点と点が、目に見えない運命の糸で、一本の美しい線に繋がった。
「莉緒……お前、本当に戻ってきたんだな」
確信だった。
目の前が、あの日二人で見たひまわり畑のように、一瞬で鮮やかな黄金色に染まっていくような感覚。
姿かたちは違っても、あの優しくて強い魂は、ちゃんとこの世界に生まれ変わって、また俺の前に現れてくれたんだ。
カバンについたキャメル色の星のキーホルダーが、夕日に照らされて、今までで一番強く、きらりと輝いた。
「待ってるからな」
俺はあの子が歩いていった空を見上げ、確かな決意を込めて呟いた。
お前がもう一度この世界で立派な花を咲かせるまで、今度は俺が、この場所でずっとお前を支え続ける。
胸の中のひまわりは、もう二度と枯れることのない、永遠の光を放っていた。

