映えるキミと恋をする




「……っと、着いた」


アパートに着いて、階段の方へ行こうした時……聞き慣れた声がした。


「マロ蔵(ぞう)、久々じゃない?アパートに来るの。ちゃんと食べてる?」


マロ蔵?

明らかに紫音さんの声だと、階段裏に回ればしゃがんでいる紫音さんがいた。
背中を向けているから、そっと後ろから声をかけることにする。


「こんにちは紫音さん、何してるんですか?」

「おっ、望海ちゃん!」


振り向いて即座に立ち上がった紫音さん。
そして、紫音さんが話していた相手であろうに猫ちゃんがいた。


「この子は?」

「ここのアパート全体でかわいがってる猫だよ。マロ眉みたいな毛並みと、大家さんの名前をとって、マロ蔵って言うの。なかなかのダンディ感でしょ?少々目つき悪目だけどね」


た、たしかに。
白い毛体に眉毛の位置にだけ黒縁が二つ。
これはマロ眉に見える。

大家さんの名前は分からないけど、渋い感じが似合う……かも?