「大丈夫だから。そんな悲しそうな顔しないで?」
心配そうに私を見つめてくる紫音さんに、小さく頷き返すと、とあることに気づいた。
それは、紫音さんが汗だくだってこと。
普通に話してくれていたけど、肩で息をしていて……首筋にまで汗が伝っていた。
「し、紫音さんこれ……使ってください」
急いでハンカチを出し近くのボックスソファへと座ってもらう、
座るなり深い息を吐きながら紫音さん受け取ってくれた。
「ははっずっと走ってたから。汗だくになっちゃってたみたい」
「走ったって……?」
もしかして──紫音さんの前にしゃがみながら期待のような気持ちが生まれるも、今しがたのこともあって口にはしなかった。
「待ち合わせ場所にいなくて、ずっと来ないし連絡しても返信来なくて……何かあったかもって探し回ってたから」
「連絡……」



