映えるキミと恋をする



「……ごめんってば。もうフリはしないから。キミもごめんね?紫音といつわっててさ」


謝ってもらった手前、こちらも答えなければと顔を出しかけるも『いいから』と紫音さんに止められた。


「ってことで俺は帰るよ。あ、そうそう。ライブまたやるからチケット渡しとくよ、はい。……キミにもどーぞ」

「え?えっと……」


私たちの横を通り過ぎて行こうとする奏音さんはチケットを二枚差し出す。
しかし空気的に受け取るのをとためらえば、すぐさま紫音さんがまた私を背中に隠す。

黙ってチケットだけは受け取る紫音さんを見て、奏音さんは苦笑いを浮かべて帰って行った。
背中から少しばかり顔を出して背中を見送ると、紫音さんは思いきりこちらに振り返って私の肩を掴む。



「望海ちゃん、変なことされてない?」

「は、はい。大丈夫です」

「良かったぁ……今のは僕の双子の弟で奏音っていうの。けど、中身はいたずら好きで少しちゃらめ。僕とは正反対って感じのバンドマン。今も僕になりきって望海ちゃんと接してたってわけ。カメラを持ってたのもフリのため」