「何してるの──奏音」
振り向くより早く聞こえた声はひどく冷たいものだったのに……誰かと腕の先の主を見れば、
……え?
「はやくこの子の手を離して」
私の知ってる、かわいい姿の紫音さんがいた。
同じ顔に挟まれ、状況が理解できない私の腕をケラケラと笑いながら、奏音さん……?は、私の腕を離す。
すると、紫音さんはグッと私を引き寄せて背中に隠した。
「はーこわいこわい。久々に会った弟に冷たいなぁ」
「何してたのか答えて」
弟……ってことは紫音さんはお兄さん、ってこと。
容姿や声が似すぎているところを見るに双子?
紫音さんが後ろに回してくれている手につかまり思考するもそんな場合じゃないよね、これ……。
「はーあ、バレないで遊べるかなって思ってたのに。実はさ紫音がこの前イベントしてたところ見に行ったんだけど……。その子といるの見て。珍しいこともあるんだなーって思って。どんな子か気になったんだよね」
「それでどうして待ち合わせなんて出来たの」
変わらず、私の聞いたことのない紫音さんのひどく冷たい声が奏音さんに向けられる。



