「雨宿り……って今は広場でしたね。えっと……」
折りたたみの傘に二人は限界がある。
明らかに風邪を引いていけないのは紫音さんだから……なるべく濡れないようにしておかないと。
──しばらくして、土砂降りが嘘のようにからっと空が晴れた。
いっときだろうと二人で話しあまり動かないようにしていたのに、なかなかのひどさ。
「僕の靴の中しみしみだ。望海ちゃんは……って半分すごいことになってない!?」
私の体片方が雨に打たれ、服や髪がはりついているのを見て紫音さんはぎょっとする。
「大丈夫です。紫音さんは足元以外大丈夫ですか?」
「え、うん大丈夫だけど……晴れたからってそのまま帰すわけには」
「平気ですよ走って帰りますから」
「ならせめてタオルくらい持ってって。僕の家そんな遠くないから。……ちょーっと不気味かもしれないけど」
え?……不気味?
水たまりをさけながら歩くこと数分。
細道を抜けたところに、ほどよく年季の入ったアパートがあった。
紫音さんは苦笑いしながらも、おいでときしむ階段で二階へ。



