レディ・クロックの夏休み〜働き者の令嬢は、婚約破棄により「お休み」いたします?!〜

 アナベルはイーサンの体が弱かった頃を、よく覚えている。昨日のことのように、はっきりと。
 前日は元気に遊んでいても、翌日から数日間、急に寝込むこともあった。
 50メートルの3分の1の距離を走るだけで、ふらついて倒れ込んでしまうこともあった。
 半袖の服を着て外に出れば、数時間後には咳が止まらなかった。
 本人は存分に体を動かしたく、元気に走る同級生を、膝を抱えながらじっと眺めていた。その感情の乏しい表情は、今も忘れられない。
 徐々に体力を付け、己と向き合ってきた結果。今は余程のことがなければ倒れなくなったし、休まなくなった。
 その事がアナベルにはとても嬉しい。あの頃から随分と頑丈になった。そう分かっていても、連日外出すれば疲れが溜まっていないか心配してしまうし、無理をしていないかと顔色を窺ってしまう。しょうがないことだ。
 それほど幼いイーサンは、弱かった。
 本当に、嘘なく、弱かったのだ。
 故に、鳥のごとく忙しなく活動する彼の行動力に、アナベルは自分の記憶に自信がなくなってきた。
 花畑に興味があるといった翌日、まさか彼のお陰で拝めるとは思ってもいなかった。

✴︎

 保養地区から北に馬車で2時間ほど走ると、隣の地区がある。ポスターに載っていた花畑があり、イーサンの叔母家族が暮らしている場所でもある。
 イーサンは図書館から戻ると、叔母に一通の手紙を出した。

ーー花畑を見たいので、そちらに伺ってもよろしいでしょうか。

 用件のみ書かれ、速達で出されたそれは、瞬く間に彼女の手元に届いた。
 そして今朝、彼女から迎えの馬車が来たのだ。
 仕事が早すぎやしないか。アナベルは急いで駆けてくれた馬を撫でる。

「さすが!チャンスを逃さないわね!」

 やることがあると屋敷に残るレティシアは、颯爽と手紙をしたためるとアナベルに渡した。

「マリアンヌに渡してちょうだいな」

 そしてアナベルとイーサンは隣の地区へと向かったのだった。
 イーサンの叔母マリアンヌ。デービッドの5歳年下の妹で、ワイン酒造家に嫁いだ。彼女は王都屋敷にも来ることがあり、アナベルも数度会ったことがある。肩まで髪を切りそろえ、凛々しくはっきりと話す姿が印象的な女性であった。

「今は髪を伸ばして結んでいるよ。溌剌さは…年々増してる。元気数億倍だよ」

「元気なのは素晴らしいことじゃない」

「いやぁ…まだ子供扱いするから。もう少し大人扱いして欲しいんだよね」

 ガラガラガラガラ。
 サイドハウス・ノアに来た時同様。
 屈強な馬は道を駆け抜け、あっという間にマリアンヌの元にたどり着いた。

「大分久しぶりねアナベル。来てくれて嬉しいわ」

「こちらこそ、この度はありがとうございます」

 馬車がついた先はマリアンヌたちが暮らす屋敷ではなく、ではなく、木々の間に道があるその入り口。木製の看板の横でマリアンヌは待っていた。艶やかな黒髪を後ろで結び、パンツスタイルの動きやすい格好だ。
 アナベルは挨拶をしようと頭を下げたが、マリアンヌは制止する。

「そんな堅苦しくしないでいいわよ! 急に誘ったのはこっちなんだから」

「そうだよアナベル」

「あーら。手紙を速達でよこしたのはどこの誰だったかしら?」

 イーサンの頬をつまみ、マリアンヌはゆるく引っ張った。アナベルの前だ。やめて欲しいと伝えると、彼は軽く説教を喰らう始末。

「幾つになっても子どもは子ども! それに長く夫婦やるんだからカッコつけてないでボロを出していきなさい。アナベルもよ!」

 それはアナベルにまで被弾してしまう。
 思わず2人で顔を見合わせて苦笑してしまう。
 アナベルは忘れないうちに、レティシアから預かった手紙を彼女へ渡した。マリアンヌは一度手を拭うと丁重に手紙を受け取る。さらに丁寧に封を切り、シワを伸ばし、手紙に目を通す。

「さすが義姉様…!」

 彼女は手紙を掲げ、くるくるとその場で回る、踊る。マリアンヌはレティシアのファンで、彼女の兄、つまりはイーサンの父親であるデービッドと縁が繋がった時は、拳を握り勝利を噛み締めていたと、昔レティシアから教えてもらった。
 デービッドとマリアンヌはは全く違うタイプだが、兄妹仲はとても良いと聞いている。性格は違うが仲の良い妹が2人いるアナベルには、家族とは不思議なものだ、なんて改めて感じた。

 ひとしきり興奮したマリアンヌが落ち着き、ようやく本題へ移る。今、アナベルたちがいるのは花畑の入り口だ。太陽が高く上がる時間から見る花畑が1番美しく、1度マリアンヌ家族の屋敷に寄ると時間を過ぎるため真っ先に来てもらった、とマリアンヌは2人に説明する。
 パラソルやシート、昼食の入ったバスケット。また小さな遊び道具もある。3人はピクニック道具を分担して持ち、ゆっくりと歩き出した。1番重いはずのパラソルを運びながらも、元気に唄いながら先頭を歩くマリアンヌに2人はついて行った。
 すると、道の先がキラキラと輝きを増し始めた。近づくにつれ、目が痛くなるほどだ。

「さぁ!着いたわよ」

 花、光、花、輝き、花…。
 見渡すばかり花だけの世界。背よりも高い太陽の花が、陽を浴び輝き、風を受け靡く。花の間を歩ける様に小道が通っており、区画されている様はまるで模様のようであった。幾何学柄の絨毯。

「すてき…」

「ね!私も何度も来てしまうもの」

 咲き乱れるのは太陽の花だ。向日葵の亜種で、さらに太陽の花は光を花弁に貯め、自ら発光する特徴がある。蜜の香りが濃く、一帯に甘い香りが漂っている。

「どうしてこんなに花が…」

「戦争後の慰霊なんですって。ここら一体は焼け野原だったって聞いているわ」

「戦争で」

 マリアンヌが言うには、元々は小さな地区があった。隣国と前線で小競り合いがあった際、防衛線が崩れ、周辺一帯は焼け野原になった。防衛線で指揮をしていた領主が亡くなったことで、隣の地区と合併されたのだという。

「私たちは知らないからね。悲惨な現場も経験も」

 戦争跡地に咲く花は全てを覆い美しく輝いているが、その土には悲しみが染み込んでいるのだろうか。

「単に美しい、と言ってはいけないのですね」

「んー? 私は素直に綺麗と言っていいと思うけどね。事実だし」

 マリアンヌが前を歩いていく。
 すぐ横に体温を感じた。見上げると、イーサンが花畑を見つめている。
 もし、戦争が起これば。
 貴族の長子は必ず、軍の士官として戦場、前線に赴くことになる。国の栄誉と名誉のために。古くからの慣習に従えば、イーサンも倣うことになる。かつて防衛線の士官として命を散らした領主のように。

『あんな場所いるもんじゃない』

 アナベルは祖父の言葉を思い出した。10年近く続いた隣国との諍いも、当時は既に停戦協定が結ばれており戦うことはなかったが、徴兵された祖父は軍で訓練を受けていた時期があった。過去を多く語らない祖父の呟いたその一言を、アナベルは今でも覚えている。話を滅多にしたがらない祖父が唸る様に呟いたそれは、酷くひどく恐ろしかった。

(そんな場所に、イーサンが)

 ぐらり。
 イーサンが揺らめいた。アナベルは慌てて彼の手を掴んだ。振り返ったイーサンは目を丸くしてアナベルを見返す。掌から感じる熱さも、骨と肉体の感覚は彼がそこにいることを教えてくれる。彼が揺らめいたように見えたのは目の錯覚のようだ。

「君の元に、皆の元に帰るよ、必ず。生きながらえるのは生まれつき得意でね。這ってでも、帰るよ。今の幸せを逃せないからね」

 言葉を発さず俯くアナベルの肩を抱くと、イーサンは囁いた。

「………やくそくよ?レティシア様とデービッド様…マリアンヌ様も。ポーラもソフィアもジャック…アイザックだって。みんな悲しむわ」

「うん」

「それに戦争が起こらない様にするのも我々の仕事の1つだ。させないよ」

 アナベルは微かに首を傾げる。イーサンが言うなら間違いない。
 にっこりと笑う彼に、アナベルは微笑み返す。
 イーサンの後ろからマリアンヌが顔を出す。心配しているのか眉が下がっている。

「ごめんなさい。折角誘っていただいたのに私ったら…」

「学園の授業だけじゃ感じられないことは沢山あるわ。そのための体験だし、平和への意識が強くなるのは良いことよ」

 アナベルの頬に、マリアンヌは手を添えた。

「歴史とこの景色、抱いた想いを忘れない様にしましょう」

「はい」

 アナベルの元気が戻り、マリアンヌとイーサンはホッと胸を撫で下ろした。

「さ、2人とも振り返って!」

 突然。彼女の掛け声の勢いにアナベルとイーサンは言われるままに振り返る。
 ざあっと風が吹いた。
 時刻は正午。時を告げる鐘の音が、風に乗ってかすかに聞こえてくる。すると、花弁の輝きが増し、真っ白に色が変化した。
 2人は息を呑む。

「太陽が高くなり始め、日差しが強くなると花びらの輝きが光と同じぐらいになるんですって。けど繊維とかで目が潰れるほどの輝きにはならないみたいね」

 生態まで詳しくは分からない。サイドハウス・ノアに戻り次第改めて調べる必要がありそうだ。

「これは帰ったらもう1度図書館にいかないと、だね」

 イーサンも同じ考えであった。2人は顔を見合わせ、肩を揺らす。
 3人は飲食可能のエリアに移り、パラソルやシートを広げた。バスケットから昼食を取り出し、地区特産や名物を堪能しながら話を弾ませながらゆっくりと花畑を鑑賞したのだった。

 周辺も観光した2人が、マリアンヌ家族が住む屋敷へ訪れたのは午後3時過ぎ。イーサンの従兄弟で、マリアンヌの子供たちである賑やかな3兄弟は、留学中で不在であった。
 マリアンヌの夫・パトリスも屋敷に帰宅してから、4人は夕食を共にした。
美味しい料理をいただいた後は夫妻に誘われて、イーサンはビリヤード、アナベルはダーツに興じていた。

「ねぇアナベルがイーサンを信頼するのってどうして?」

 マリアンヌに問われ、まさに投げる直前であった矢はアナベルの指からこぼれ落ちる。ガコン、ビリヤード台からも何かが打つかる低い音がした。

「貴方達って学園でも教室が違うのでしょう? しょっちゅう遊んでいるわけでもないし。それでもアナベルはイーサンへの信頼が厚いじゃない。どうしてかなって」

 背後から感じる視線を無視してマリアンヌは続ける。叔母の贔屓目で見ても、イーサンは性格も容姿も、また細やかでも才能にも恵まれた素晴らしい青年に育っている。
 だが本人は悠々と過ごし、成果を吹聴するタイプではないため活躍は目立たない。"紳士の中の紳士"と言われいるものの、イーサンは他貴族や事業家に裏では影が薄い"幽霊子息"だなんて揶揄われている。
 アナベルがイーサンを信頼していると言われれば彼を知る者として当たり前だと思う反面、病弱であった頃を知っている彼女が甥っ子のどこに頼りがいを感じたのか気になったのだ。

「そう、ですね」

 マリアンヌに促され、アナベルは椅子に座る。するとむっつり黙りこくってしまった。漂い始めた緊張感にマリアンヌは質問する前まで時間を戻したくなってきた。

「アナベル?」

「あ、いえすみません。その……色々とありすぎて何から話せばいいのか悩んでしまって」

 眉間に盛大な皺を寄せ、指折り数えているアナベル。部屋の空気は少し穏やかになった。顔が固くなっていたイーサンの面持ちも微かに緩む。

「んー? じゃあ何かきっかけみたいなのは?」

「きっかけ…」

 イーサンを信頼するようになったきっかけ。
 アナベルの記憶から、懐かしい出来事が思い出された。

✴︎


 イーサンと茶話会で出会ってから1年。まだバーンズ家族が彼に対して敬称をつけていた、春先のこと。
 レティシアに誘われ、母親と茶話会に来ていたアナベル。出される美味しいお菓子に頬が緩みそうなのを必死に耐えているとーまだ当時は自分が食べるのが好きなことはレティシアたちには明かしていなかったー話は教会のボランティアに参加するとなり、イーサンが興味を示した。
 自分も参加してみたい。
彼が言ったため、一緒に参加することになった。
 ボランティア当日。意外にもイーサンは勝手をわかっており、手際よく動いていた。アナベルと担当は別れて、それぞれ精を出した。
すると慌てた様子で、キャンベル家の使用人が駆けつけた。

『おばあさまの御容態が危ないとのことです』

 母方の祖母が危篤状態だ。
 その報告に、アナベルの思考は停止した。頭の中が真っ白になった。丁度昼食時で、神父に願われアナベルを呼びに来たイーサンがいた。彼はアナベルの箒を預かると、彼女の手を引いた。
『早く! ここは大丈夫だから』
 言われるまま迎えに来た馬車に乗り込んだアナベルは、馬車が出る前に頭を下げるのが精一杯であった。

 さて。命の危険だと聞き駆けつけたバーンズ家だったが、外祖母は至って元気であった。派手に転び、祖父が話を医者から聞いた際に話が大きくなってしまい、誤ってアナベルたちへ伝わってしまっただけであった。

『歳をとった後に足の骨を折れば寝たきりになって、そのままぽっくり、というのは非常に多いから大袈裟なことではないんだ。だけど、おばあさまは大丈夫だよ。何度も調べたが、骨は折れていないのは明らかだ。ただの捻挫だよ』

 何度も調べ、骨は折れていないのは明らかだ、捻挫だけ。医者は言う。駆けつけた一家全員、お腹の底から安堵の息を吐き出した。
 安心したのも束の間、今度はイーサンの件が問題になってくる。
 他に参加者がいたとは言え、知らない場所に侯爵子息を残してしまった。体が弱いのに。
 丁度神父から手紙が届いていた。祖母の容態と、別れた後のイーサンについて書かれていた。彼は箒を受け取った後はアナベルの担当場所も担ってくれた。よく周りを見て、よく動いてくれたと喜びの言葉が綴られていた。
 侯爵夫妻に至急連絡を取り、ありがたいことに翌日両親と共にキャンベル家に訪れた。
 イーサンは外出中で後で会えると言うので、まずは侯爵夫妻に頭を下げる。
 彼を1人知らない場所に残してしまったこと、祖母のこと、代わりに掃除を担ってくれたこと。

『イーサンが心配そうにしていたから、私たちも気にしていたの。お祖母様がご無事で何よりだわ。さ、頭を下げないでくださいな』

『あと掃除の件は一切気にしなくていい。我が家では普通のことだ。なにより本人から特に話を聞いていないからね』

 明るく話す夫妻と、ますます顔を青ざめるバーンズ一家。レティシアは屈み、アナベルに優しく微笑む。

『困ってる人に手を貸しただけ。あの子にとってわざわざ報告することではないのよ。アナベルだって、よく手伝いしてるって聞いてるわよ。神父様たちから活躍の話をたくさん伺ったって』

『そんな……! 私とイーサン様とでは……』

『君たちの手助けになってイーサンも嬉しいのさ。それがたとえ自己満足や偽善と言われようとね。さっきも言ったけど我々にとっては普通のことだからねぇ。屋敷でも工事でも荷物運んだり仕事代わったりするし』

『よく教会にもボランティアに行くのよ? 私たちの父も祖父も皆んなで箒や雑巾を持って、床を掃いたり拭いたりしてね』

 アナベルたちは驚愕する。貴族が慈善活動で、雑巾を持って掃除など聞いたことがない。

扉がノックされ、イーサンが部屋に入ってきた。外出先から帰宅した彼は、アナベルたちが来ていると聞きつけ、走って来た。頬を赤くして、息を切らしている。

『こんにちは伯爵ご夫妻、アナベル嬢』

『イーサン。アナベルのお祖母様は元気だそうだ』

『それはよかったです! ……ではなにかあったのです?』

彼は両親とバーンズ家を交互に見やる。なにやら部屋の雰囲気が喜びよりも、重いものだと感じたからだ。

『この間、アナベルの分までお掃除いただいたと伺いまして……………ありがとうございますイーサン様。義父母は我々の顔を見て安心できたようで。早く駆けつけられました』

(お父様?!)

 謝るのではなく、チャーリーは笑顔で礼を伝えた。感謝で頭を下げる。アーニーも考えを変え、彼に礼を伝えた。助かりました、と。
 どうすれば。予定が変わり、アナベルは内心狼狽える。しかしここで1人謝っても違和感だ。腹をくくれ!
 アナベルも両親に習い、イーサンに感謝を伝える。

『おばあさまも元気が出たって、喜んでくれました。ありがとうございます』

『どういたしまして』

 屈託のない笑顔が印象的だった。お礼にと贈った物に、イーサンは一瞬目を見開いたが、直ぐに優しい笑顔に戻った。

『遠慮なくいただきます。ありがとうございます』

『私のやりたいことをやったんだ。満足してる。……迷惑でなければ、また参加してもいいかな?』

『イーサン様がいて助かったと神父様もおっしゃっていたわ。また…よろしければ』

『うん!』

 大切そうに胸に抱いた。必死に悩んだ贈り物はお菓子だ。ひどく特別のものではないが、侯爵家の子息の舌には合わないかもと不安になっていたが、それでも彼は嬉しそうに笑って受け取ってくれた。よかった。本当に。
 彼に、とてもとても救われた。

 帰り道、馬車の中。
 アナベルはずっとイーサンの笑顔を忘れられなかった。
 彼の表情に嘘はなかった。

『イーサン様は本当に気にされていないようだ。我々が気を揉んだことを察してくださった。人を想える優しい子だ。だけど自分のペースは揺るぎない。しっかりしていらっしゃる』

 父の言う通りだと思った。
 貴族らしい精神、と言えばそれまでのことだが、何故かイーサンは特別に感じた。

 それから。付き合いは少しづつ増えていき、アナベルたちが彼を名前で呼ぶようになるまで。
 彼が、誰にでも分け隔てなく接っすることを知った。
 彼が、親しみと敬意、関心、優しさを持っていることを知った。
 彼が、人の秘密を誰にも漏らさないことを知った。

 アナベルが食べるのが好きだと言うことも両親や使用人たちにも、誰にも伝えていなかった。

 所作、対応、言葉選び一つ。丁寧で、芯の強い彼の生き方は、とても好ましく感じられた。

(あぁ、そうよ)

 イーサンは信頼できる人物というだけではない。



「彼は頼りになるだけでなく、尊敬する男性です」