スパダリの溺愛はスーツを着崩すように

手を掴まれてそのまま社長室に着いた。

「彼女なのに挨拶してくれないの?」

「皆見てますし…私本当の彼女じゃ…」

するとふわりと後ろから肩を抱きしめられた。
背中に黒澤社長の体温が伝わる…。

「逃げんなよ…避けられんの嫌なんだけど」

耳元で言われてくすぐったい…。
吐息が…。

「今はフリでも彩乃を離さないと言ったはずだ」

すると耳を優しく噛まれて…。

「っ…!」

真っ赤になってしまう。

「黒澤社長…」

こんなの…余りの甘さに酔いしれてしまう。
勘違いしそうになる…フリなのに…。

「彩乃、可愛い」

なんて言って頭を撫でられる。

「会社じゃなかったら遼って呼んでくれるか?」

それって会社以外でも会うってこと?耳を噛まれてドキドキして頭が回らない私は「はい…」と答えた。

フリのはずなのに黒澤社長は私の心を乱していく。

黒澤社長に恋するのは時間の問題かもしれない。