好きになったのは大嫌いな先生



治療は明日からみたいで、今日はとりあえず何もないらしい。
健斗さんと悠さんは出て行って、シーンとした病室で荷物の整理をした。

静かな病室だと色々と考えてしまうから、個室だしテレビを流して静けさを誤魔化す。

ボーッとしているとお昼ご飯の配膳が来た。
もうそんな時間か。案の定お腹は全然減ってないけど。

とりあえずお皿の蓋は開けてみる。今日はお魚。
どうも食べる気にならなくて、もう少ししたら食べようと一旦蓋をしてベッドに横なった。

スマホをいじってると健斗さんが入ってきた。

「美奈ちゃーん、ご飯どう?…ってまだ手つけてない感じ?」

ご飯を覗き込んで困った表情をしてる。

「食欲はやっぱり全然なくて…」

「熱もあるし、そうだよね。けど明日から治療も始まるし、食べれる今のうちに栄養いっぱいつけて欲しいな。」

「…もうちょっとしてから食べてみる」

「食べられないなら残してもいいんだけど。先生から食べられないなら、点滴の指示出てるからね〜。どうする?無理して食べないで点滴にする?」

健斗さんずるい。私が注射なんて嫌いなこと知ってるくせに!

「…食べます。」

「はい、よろしい。頑張ってちょっと食べてみてね。またもう少ししたら見にくるから。」