好きになったのは大嫌いな先生



それから次の受診日まで、毎日職場に行って自分のできる仕事をして、しっかりと引き継ぎ作業をした。それが今の自分にできる精一杯のことだから。

そして、今日は運命の骨髄検査の結果を聞きに行く日。

正直怖い。白血病なのはほぼ確定だけど、心のどこで実は違いましたとか、すごく再発初期の段階とかの結果を期待してる自分もいる。

入院の準備は一応してきてと言われてるから、大きな荷物を持って家を出た。

今日も1人でタクシーに病院に向かう。大っ嫌いな病院が見えてきて、やっぱり体は震えるけど、ここまできて逃げることもできないから腹を括って勢いで外来に向かう。

前は混んでいた外来はなぜか今日は空いていて、すぐに名前が呼ばれ診察室に案内された。

震える手で診察室に入ると、そこにはパソコンと向かい合ってる真剣な顔の愁くんの姿。白衣姿やっぱり好きになれない。

「今日もちゃんと来たんだ。偉いじゃん。やっぱり美奈少し大人になったね。前なら絶対逃げ出してこなかったでしょ」

「前っていつの話?もう子供じゃないんだから約束くらい守れる。」

私の緊張を少しでもほぐそうとしてくれているのか、他愛のない話から入ってくれる。

でもそんな時間も束の間で、すぐに真顔になる。

「早速だけど、検査結果出たよ。」

「…うん」

「やっぱり再発してた。そして結構進行してる。美奈、だいぶん前から体調結構悪かったんじゃないの?こんだけ進んでたら気づいてたでしょ?」

「…ごめんなさい。」

怒った表情で低い声でそう言われ、愁くんの顔をみることができない。

「もっと早くちゃんと病院に行って欲しかった。」

「……」

「まぁもう過去のことを言ってもしょうがないから、現実と向き合会ってもらうよ。入院してしっかり治療していくから。」

分かってはいた。分かってはいたけど、本当にこれからまた辛い治療が始まるんだ。