ビー玉が転がりだしたとき… あなたの人生はもう終わってます

暗闇の中で、それだけが妖しく光を放っている。

私の手の中で、着々と磨かれ、さらに輝きを増していくそれ。

丸く、丸く、どこまでも丸く。

この地球よりも歪みのない、完璧な球体へと姿を変えていく。

私はただ、あなただけを思って、今日もそれを磨き続ける。

青く、赤く、見る角度によって妖艶に、時にはひどく純朴に表情を変える。

まるで、私の前で見せるあなたの嘘の笑顔のように。終わりは見えない。

けれど、私たちの関係の「終わり」へ向かって、時間は確実に進んでいる。

指先が摩擦で擦り切れ、手が真っ黒に染まっても。

私の心に、二度とあたたかい光が差さなくなったとしても。

それでも、私の手は止まらない。

ただひたすらに、磨き進む。いつか、その時が来るまで、永遠に。

いつか、その瞬間が来るまで、私はあなたを絶対に逃がさない。

ねえ、どこへ逃げられると思っているの?

ちゃんと私のこと、見てて。

あなたが築き上げてきたすべてを、絶対に超えてみせるから。

あなたが私に植え付けた絶望の、何倍もの絶望をあげる。

カララン、と静まり返った部屋に、冷たい音が響く。

もう手遅れ。

全ては私の、掌の中。

Fin.