「……っ、天海くん、近い!」
「あれ?おかしいな。名前、まだ直ってない」
耳元でイタズラっぽい甘い声が響く。
わざと耳に息を吹きかけるの、本当にやめてほしい。
「……っ、……蓮(れん)」
限界まで真っ赤になりながら名前を呼ぶと、蓮は「ん、よくできました」って嬉しそうに目を細めて、私の頬にちゅ、と音を立ててキスをした。
「……っな!?」
「あーあ、佐野ちゃん可愛すぎ。まじで他の男子に見せたくない。ねぇ、明日から学校休んで俺の部屋に引きこもらない?」
「言うことが極端すぎるでしょ!」
「だって本気だもん。今日だってさ、体育の時間に移動するとき、B組の男子が佐野ちゃんのこと見ててさ、俺、後ろからそいつのことめっちゃ睨んじゃった」
「え、気付かなかった……」
「気付かなくていい。佐野ちゃんは俺だけ見てればいいの」
蓮の独占欲、付き合う前より確実に2割増し、いや5割増しくらいになってる。
誰にでも優しいクラスの人気者なんて、今では大嘘だ。
私の前での蓮は、めちゃくちゃワガママで、強引で、私のことが好きすぎて頭バグってるただのイケメンの男の子。

