−狂兎の檻−

「うるさい」
教室の入り口から、低い声が響く。

一斉に振り返ると、そこには凪くんが立っていた。
さっきまでの柔らかな笑顔は、どこにもない。
冷え切った瞳で教室をゆっくり見渡す。
 
それだけで、さっきまで響いていた笑い声が、ぴたりと止んだ。
 

次の瞬間――。

「はいはーい!」
ぱっと笑顔に戻った凪くんは、手を挙げる。
「僕とのお約束ね〜!」
 教室中を見渡しながら、にこにこと笑った。