−狂兎の檻−

……というか。 こんなに強そうな人へ、本気で怒鳴っている凪くんって、一体何なんだろう。

むしろ――。
"狂犬"と呼ばれているこの人の方が、よっぽど常識があるように感じてしまう。

「……俺は怒ってるわけじゃない。 周りの迷惑を考えろって、言ってるだけ」
「迷惑かけてないけど?」

迅くんは小さくため息をつくと、私へ視線を向けた。

「眼鏡ちゃんは、困ってるよね?」
「あ!?」
「凪には聞いてない」

二人の視線が、一斉に私へ向けられる。