−狂兎の檻−

どうしよう――。
凪くんは、優しくていい子なんだけど。
お話だって、楽しいんだけど。
もう、三時限目の授業が始まるチャイムが鳴っている。

「美月! 美月〜ぃ!」
「……はい」
「楽しいっ?」
「……はい。私、普段は誰とも喋ることがないので……楽しいです」

そう答えた瞬間、凪くんの笑顔がぱっと花が咲いたみたいに明るくなった。

「よかったぁ!」
「でも、そろそろ……」

授業に戻らなきゃ――。
そう言いかけた、その時だった。