−狂兎の檻−


さっき初めて話したばかりなのに。 名前を呼ぶのも、話しかけてくるのも、あまりにも自然すぎる。

まるで、ずっと前から知り合いだったみたいに。その距離感に、私は戸惑うことしかできなかった。

「美月、何飲むっ?」
「あ、買います」
「いいから、何飲む?」

笑顔なのに、有無を言わせない。こんなに可愛いのに、不思議と押し切られてしまう。

「……じゃあ、烏龍茶で」
「はぁい!」