−狂兎の檻−

昔の僕は、弱かった――。


親に捨てられ、施設へ預けられた僕に残っていたのは、絶望だけだった。 あまりにも華奢な身体。気の弱そうな見た目。そのせいで、施設でも学校でも、僕はいつも誰かの標的になった。


弱者――。
その言葉は、当時の僕に、ひどくよく似合っていた。


学校には、僕によく似た女の子が一人いた。 小柄な身体に眼鏡を掛け、いつもおどおどしている。彼女もまた、弱者だった。